事前のドナー登録制度はありません
さい帯血バンクは、骨髄バンクのような「ドナー登録」の制度はありません。さい帯血バンクで協力をお願いしている産科施設で出産予定の妊産婦の方で、さい帯血の提供に同意してくださった方から、さい帯血を採取させていただきます。
細胞そのものを保存します
骨髄バンクでは、ドナーの血液検査を行ってHLA型(白血球の型)のデータを登録します。さい帯血バンクでは、出産の時にさい帯血を採取し、その時点でさい帯血そのものを凍結保存します。移植を希望する患者さんには、凍結保存されているさい帯血の中から適合するものが提供されます。ですから、より多くのさい帯血を凍結保存しておくことが必要なのです。
移植までの時間が短縮されます
骨髄バンクでは、ドナーとのコーディネートが必要なため、移植実施までにはかなりの時間を要します。これに対し、さい帯血はすでに凍結されてあり、コーディネートの必要がありませんから、移植までの時間が短縮することが出来ます。
移植の条件性が優れています
さい帯血の中の造血幹細胞は、骨髄の中の造血幹細胞よりも増殖力が旺盛であることが特徴です。そのため、骨髄移植では患者さんの体重1Kgあたり3億個の細胞がないと移植できませんが、さい帯血移植の場合には、その10分の1程度の細胞数でも移植が可能です。また、さい帯血移植は、骨髄移植よりも移植免疫反応が軽いという点も、特徴の1つです。そのため、骨髄移植の場合、HLA抗原が原則として6つの内6つとも合わないと移植できませんが、さい帯血移植では、6つの内5つ又は4つ合えば移植可能と言われています。それだけ、移植の可能性が高まるわけです。
*
|